ポルトガルのミゲル・ゴメス監督とは、ほんとうに相性が悪い。いまをさかのぼること10年以上も前、『熱波』(2012)が公開されたときのこと。評判のこの映画を私はイメージ・フォーラムに観に行った。そうしたら不覚にも眠ってしまった。
まあ誰でも映画を観ながら眠ってしまうことはある。ただ、目が覚めて最後まで観終われば、眠っていてもどんな映画なのか理解に苦しむことはない。ところが『熱波』の場合、物語が複雑なこともあり、さらによほど長く眠ったらしく、内容がさっぱり把握できなかった。そこでさすがにこれではいけないと私は深く反省した。
反省したので、もう一度、映画館イメージ・フォーラムに足を運ぶことにした。前回は疲れていたのかもしれない。今回は、どんな映画かは、たとえ眠っていたとしても、ある程度はわかっているから、そしてたとえ疲労していても、映画に取り残されて眠ってしまうことはないだろう。そう考えた。
そして二度目も眠ってしまった。
それから13年。今回公開された映画『グランドツアー』(2024)をル・シネマ渋谷宮下で観た。ル・シネマ渋谷宮下は、席と席との間が、前席の背を蹴ろうとしても足が届かないくらいに広い。それはいいのだが、傾斜が急ではないので、以前、大男が私の前に座って見切り席みたいになってしまい困ったことがあった。今回は見切り席にならずに、映画を満喫することができた。
13年前は寝てしまったが、今回は、眠ることはないだろうと思っていたが、今回も寝てしまった。129分の映画が短く感じた。あたりまえだろう。寝ていたのだから。
そのため眠っていた人間の無責任な発言なのだが、そして自分の注意力散漫を棚に上げての暴言かもしれないのだが、この映画、クソ・オリエンタリズムでしかないだろう。眠ったことは後悔していない。といいつつも、まだ公開中なので、再度観に行くかもしれない。どうせまた眠るのだろうが。
