2025年09月18日

愚かさに国境はない AIの誤訳

こんなネット記事があった。まず見出し:
ペルー、艦隊近代化のため米国から34億2,000万ドルでF-16戦闘機を購入と発表
Nicolle によるストーリー •2025年9月18日 https://www.msn.com/ja-jp/money/other/

この見出しからしておかしい。「艦隊」の「近代化」のために「F16戦闘機」を購入?

戦闘機の購入が艦隊の近代化に役立つのか? なぜ? そもそもペルー海軍は、戦闘機を運用できる航空母艦をもっているのか。かりにもっていたとしてもF16は航空母艦では運用できない。

Wikipediaで「ペルー海軍」を調べてみると、以下のとおり:
2007年時点で現役兵総員25,000人。ペルーの海上防衛とアマゾン川などの内水の警備を主任務とし、海上の治安維持や救難活動も行う。

ペルー海軍の現役兵力は、2009年時点で21,000人である。主要艦艇は巡洋艦1隻、フリゲート8隻、潜水艦6隻、コルベット(ミサイル艇とも)6隻、河川砲艦5隻などを保有する。固定翼機21機と回転翼機14機を有する海軍航空隊と、海兵隊、沿岸警備隊(20t以上の船艇7隻)を指揮下に収めている。

とあって、空母などもっていないし、固定翼機も輸送機(物資・人員)が主で戦闘機などもっていないし、ジェット機ももっていない。この見出しは何をいいたいのだ。

では、記事を一部抜粋する:
アメリカ政府は、ペルーへの12機のF-16 Block 70戦闘機の販売【←ふつうは売却という】を承認しました。この取引の総額はおよそ34.2億ドルと見込まれています。

このパッケージには最新世代の空対空ミサイルや高度なレーダーシステムが含まれており、重要な戦略的転換を示しています。歴史的にロシアやヨーロッパ製の装備に依存してきたペルーは【アメリカ製の航空機も装備している】、この決定により西側への移行を示しており、老朽化したフリートの維持の難しさや、ウクライナ侵攻後のロシアに対する国際制裁の影響が背景にあります。

この取得は、MiG-29、Su-25、Mirage 2000、A-37【←これはアメリカ機】など混在し老朽化したフリートを運用するペルー空軍(FAP)にとって極めて重要です。これらの航空機はメンテナンスや稼働率の面で深刻な課題を抱えており、防空、主権維持、麻薬テロ対策任務において近代化は最優先事項となっています。

もし購入が確定すれば、ペルーの防衛能力刷新における重要なマイルストーンとなり、ソビエト製装備の時代の終わりを示し、西側諸国との相互運用性に向けた新たな章が開かれることになります。【以下略】

なお最後に次のような記述あり
出典: The War Zone | 写真: X @RealAirPower1 | 本コンテンツはAIの助けを借りて作成され、編集チームによってレビューされています。

AIがバカで、fleetを誤訳している。“fleet”とは、ふつう「艦隊、船団」を意味するが、この語の語源がもともと水に関係したものであって当然である。しかし、それ以外にも船だけでなく、特定の組織の管理下にある航空機、運送車両、乗り物などもfleetという。

そのためペルーが「艦隊近代化のため」というのは、ベルーが「保有機の近代化のため」にアメリカからF16を購入するということである(あと「近代化」というのもほんとうは変で、「アップデートする」とすべきところだろう)。

そんなことも知らないのかAIのバカヤロー、ポンコツめとあざ笑ってもいいのだが、問題は、AIの誤訳に気づかなかった編集チーム(「本コンテンツはAIの助けを借りて作成され、編集チームによってレビューされています」)のバカだろう。こいつらは全く役にたっていない。全員皆殺しにすべきである。

実際、大馬鹿はAIではなく、この編集チームである。AIは誤訳をしても、すぐに学んで次からは誤訳しなくなる。つねに進化の途上にある……。

ということは、AIの誤訳に気づかない編集チームは、八つ裂きにすべき、ボンクラのどたわけ集団ではなく、おそらくAIに学習させないために、ミスをそのまま放置しているのだ。となればAIは自分のミスに気づかず、また学んで進化することはない。こうして編集チームはAIに学習させない、進化させないことで、逆に人類に貢献している。もし彼らを虐殺してしまったならしかたがないが、もしまだなら、彼らは人類のためにAIを陥れようとしている英雄たちである。彼らはほめられるこそすれ、殺されるには値しない。彼らの今後の活躍をそっと見守るべきである。

posted by ohashi at 21:51| コメント | 更新情報をチェックする