本日は、関東地方に台風が接近する、また関東地方に線状降水帯が発生するという予報があったので、外出を辞めようかと思ったのだが、病院へいく用件(診察とか入院とか面会ではない)があり、午後、雨のなかを出かけることにした。
雨はすでに降っていたのだが、そんなに強い雨ではない。そしてもうひとつ、天気予報は(このところずっと)誇大な予報ばかりで信用できず、台風もたいしたことはないだろうと私の直観は判断した。この直観的判断は、的中して、病院への行きかえりもたいした雨にもふられなかった。気象庁の予報を信じて外出を控えなくてよかった。
ところが往生際の悪いのはメディアの報道である。とくにテレビがひどい。ピックアップされた映像をみると、日本列島に上陸した台風が、中型か小型の台風とは思えないほどの、惨状をもたらしていた。豪雨による視界不良、宙を飛ぶ車両、めくれる屋根、道路の冠水をはじめとする洪水被害など。それらは実際の映像なので、嘘ではないのだが、ただ、被害にあった地域はごくわずかで、それ以外の地域はただの雨降りの一日にすぎなかった。
突風か竜巻が発生した地域があって、そこでは家屋に甚大な被害がでていたのだが、また線状降水帯が発生した地域では膨大な降雨量による被害も大きかったのだが、くりかえすと、その他の地域では、平穏な雨降りだったのだ。
表象の問題である。つまり台風によって日本全土あるいは台風の経路周辺に被害が出た、そのなかでもこんなひどい被害もあったというのなら報道にも納得がゆく。しかし、ほとんどの地域で被害は出ていない。そのうちいくつかの地点で甚大な被害が出ていたというとき、甚大な被害を取り上げるのは報道の基本だとしても、すべての地域が甚大な被害をこうむったかのような報道の仕方は詐欺に近い。
全体としてみると、たいしたことはなかったのだが、ただ不幸なことに一部の地域では甚大な被害が出たという報道なら全く問題ないのだが、甚大な被害のコレクションだけで、あたかもそれが一部ではなく全体像であるかのようにみせる報道はフェイクに近い。実際の映像を使いながらありもしない現実をつくりあげている。
傑作なのは、東京のある店主が、洪水にそなえて店の前に土嚢を積み上げ、さらにシートなどでも覆ったりして台風に備えていることを報道が伝えたことである。いや、こういう心配性なバカもいるのだというかたちの報道なら納得もするが、これからやってくる日本全土に大きな被害を与えた台風にこうして備えることが美談であるかのような報道なのだ。東京のどこかはわからなかったが、その一帯には台風の被害もなく、また洪水などなかったはずなので(というか天気の変化でそれはわかる)、ただの狂人店主の、メディアの注目を浴びたい愚物店主の過剰行為などほうっておけばいいのだが、ただ、その店主とメディアは同類だということなのだろう。
まあ、気象庁とメディアの台風情報はこれからも一切信用しないが、それにしても、こうした報道のありようが、他の分野の報道にも及ばないなことを、というか既に及んでいることを心配する。
