文章の内容については問わない。ただ、パレスチナの作家ガッサーン・カナファーニーの短編集のなかの作品について触れるとき、鶴見太郎は、こう書いていた:
若くして何者かに爆殺されたパレスチナ人作家ガッサーン・カナファーニー
と。
世の中には、日本の社会に限らずいろいろな国の社会において、何者かに殺された人はたくさんいるだろう。そうした人は、実は、被害者のほとんどが何者かもわからない場合が多い。しかし、カナファーニーのような有名な作家で、しかも爆殺という尋常ではない殺害方法の場合、「何者かによって爆殺された」などとのんきなことを書いていられるのか。
そもそも有名作家の爆殺事件の場合、捜査が行なわれなかったのか。犯人は逮捕されたか特定されなかったのか。鶴見太郎が意図的に隠蔽しているとしか思えない。そもそもガッサーン・カナファーニーはモサドによって暗殺されたのではなかったか。
WikipediaのGhassan Kanafaniの記事(英語版)は、モサドによって暗殺されたとはっきり書いてある。
On 8 July 1972, Kanafani, was assassinated in Beirut by the Mossad, the Israeli foreign intelligence service.
あるいはMiddle East Eye(MEE)のGhassan Kanafaniを扱った記事
Ghassan Kanafani: The life of a Palestinian writer
Assassinated by the Israeli Mossad at the age of 36 for his membership of a Palestinian revolutionary group, Kanafani is remembered as one of Palestine's most influential intellectuals
Indlieb Farazi Saber, Nadda Osman and Haroon James
8 July 2022 11:20 BST | Last update: 2 years 10 months ago
https://www.middleeasteye.net/discover/ghassan-kanafani-palestine-life-writer
にも、
In Beirut on 8 July 1972, a 36-year-old Kanafani and his 17-year-old niece Lamees Najim got into his Austin 1100. Turning on the ignition, he triggered a car bomb that immediately killed the pair. Mossad later claimed responsibility for the assassination.
と、モサドが暗殺を認めたと書いてある。
もちろんWikipediaその他の記事が絶対に正しいとは限らない。実は、モサドによる暗殺の証拠はないとか、モサドは犯行声明を出していないということもあるのかもしれない。それならば、専門家としての立場から、「モサド暗殺説は現在では疑われている」とか「モサドによる暗殺の確定的証拠はない」とか、「モサドによる犯行声明は信ぴょう性が疑われている」とか、なんとでも書きようがあるだろう。
それを「若くして何者かに爆殺されたパレスチナ人作家ガッサーン・カナファーニー」という、絶対にモサドの名前を出したくない、絶対にイスラエル政権を悪者にしたくないというイデオロギー的思惑がみえみえの愚かしい表現を使うとは。恥知らずが。もしこれが朝日新聞側が鶴見太郎の文章を書き替えたのなら、絶対に許されないことだ。まあ、そのようなことはないと信ずるが、ならば、鶴見太郎はほんとうに恥を知れ。このくず*****
