2025年02月21日

自由が丘の不二屋書店

すでに新聞で報道されていたが、ネットでは閉店後の写真入りで、つぎのようなニュースを伝えていた。
「これまでありがとう」東京・自由が丘の不二屋書店、102年で幕
朝日新聞社 2月23日

20日午後8時半過ぎ、自由が丘駅(東京都目黒区)前にある不二屋書店の明かりが消え、102年間の営業に幕を下ろした。親子3代で守り続けたが出版不況の波には勝てなかった。
【中略】
最終日の朝、店主の門坂直美さん(74)は「今日もいつも通り始まった。いつも通りに終わりたい」と話していたが、閉店時には店の前に300人を超える人が集まり、駅前広場まであふれた。最後のお客さんの会計を待ってあいさつに出ると、人垣から「これまでありがとう」と感謝の言葉が飛び交った。【以下略】

東京都目黒区の自由が丘界隈は、私の生活圏でも行動圏でもないので、本来、知ることのない書店なのだが、以前、自由が丘で人と待ち合わせたとき、早めに到着して時間があまった私は駅前の書店にはいって書籍をみてまわった。それが不二家書店だった。

中に入ると私は驚いた。私の知らない本、それも私の興味の範疇に見事に入る本が、目に入ってきた。聞いたこともないような出版社の本というのなら驚かないが、誰もが知っている出版社の本であることに驚き、こんな面白い本を出していたのかと思わず手に取った。

他の大型書店では観たことのない人文関係の本で、しかも、同じような、有名な出版社から出ている、だが私が知らなかった本がもう一冊目に入った。この書店の品ぞろえにはただただ感服した。驚きと興奮がとまらなかった。

そんな書店が消えるのは残念なことである。閉店を少しでも遅らせ、売り上げに少しでも貢献できなかったことに対してほんとうに後悔している。

ちなみに私はその本をその場で購入しなかった。その二冊の本の著者と書名をしっかり頭にたたきこんで、帰宅後、アマゾンで注文した。私のような人間がいるから、書店の閉店を加速させたといえるのである。忸怩たる思いでいる。
posted by ohashi at 00:05| コメント | 更新情報をチェックする