2024年09月03日

ただ生きているだけではメダルはもらえない: パラリンピック射撃銅メダル

2024年パリ・パラリンピック大会で、水田光夏さんが、射撃の混合エアライフル伏射(運動機能障害SH2)で銅メダルを獲得。スポーツに関心がなく、ましてやオリンピックはゼロ視聴の私だが、水田光夏さんの射撃での銅メダルは率直に祝福したい。

面識があるわけではないのだが、私の親戚の女性が、一時期、彼女の知り合いであった。友人だったかどうか不明。ただ知り合いだったのは、水田さんが難病になる前のこと。難病を発症後、障害者ライフル射撃競技選手になってはじめて、水田さんの病状について私の親戚の女性は知ったとのこと。以後、陰ながら水田さんを応援している。

ただ、これだけなら、私がそのことを知る機会はなかっただろう。私は、親戚の女性といっしょに暮しているわけではなく、また頻繁に会うどころかその逆なので、水田さんのことが話題になること自体なかったはずだ。

ただ、前回の東京オリンピックでの射撃会場が、たまたま私の住居と近かったことと、彼女が水田さんを応援するために射撃会場のチケットを購入しようとしていたので、私のほうにも話題がふられたのだった。

その時はじめて水田光夏さんの活躍について知ったのだが、当時、つまり東京オリンピック直前に、NHKの地上波だったかBSだったか覚えていないのだが、彼女を扱ったドキュメンタリー番組を視たことは覚えている。親戚の女性に教えられてのことだった。

ドキュメンタリーで取り上げられるほどだったので、メダルの有力候補だったにちがいない。だが残念ながら、前回のパラリンピックでは、呼吸困難に陥り、32位で予選敗退となった。詳しいことは知らないが、勝負に出る前にアクシデントで棄権するようなものではなかったか。2大会連続でパラリンピックに出場と紹介されている水田光夏さんだが、実質的に、今回が初出場といっていいだろう。初出場にして期待通りの活躍ができて銅メダルに輝いたということだろう。前回はアクシデントのためノーカウントとみたほうがいい。

私の親戚の女性のことを、水田さんが覚えているとは思えないが、万が一、覚えているとしたら、彼女を通して、水田さんにお聞きしたいことはたくさんある。難病になってから、なぜ射撃をはじめたのか、たとえどれほど天性に恵まれていても、血のにじむような努力は必要だったはずで、そこのところを、余計なお世話もしくは単なる好奇心にならないようなかたちで、要は失礼にならないかたちで、聞いてみたいものだと思っている。

パラリンピックに限らずオリンピックのアスリートたちは、たいへんな努力と鍛錬のはてにメダルを獲得していることは、誰でもわかるのだが、日本では、「生きているだけで金メダル」という、アスリートをバカにした暴言を発したお笑い芸人が何の咎めもうけることなく、逆に、その暴言を批判したお笑い芸人が芸能活動停止に追い込まれているという狂気が横行している。

アスリートたちは、ただ生きているだけでメダルを獲得しているのではなく、私たちの想像を絶する努力で栄光を勝ち取っていることだけは、忘れてはなるまい。生きているだけで金メダルというアスリートはひとりもいない。

posted by ohashi at 11:15| コメント | 更新情報をチェックする