のタイトルで以下のような記事があった。
コレクトミーCollectme編集部 – 1月3日
1月3日は、映画にとって特別な日です。この日、多くの映画スターが誕生日を迎える。
まずは、本日2023年1月3日に67歳を迎えるメル・ギブソンから。リーサル・ウェポン・シリーズ、ホワット・ウーマン・ウォント、サインなど多くのヒット作に出演し、ブレイブハートやアポカリプトなどの優れた監督でもある彼は、今でもハリウッドで最も高く評価されているスターの一人である。
『ブラック・ウィドウ』のイェレナ・ベローヴァ役やミニシリーズ『ホワイエ』の出演で一般にも知られている美しいフローレンス・ピューが、27歳の誕生日を迎えた。
この記事、まずメル・ギブソンのところで『ホワット・ウーマン・ウォント』という作品が例に上がっている。一瞬、そんな作品があったのかと考えたが、これは日本では『ハート・オブ・ウーマン』という日本独自のタイトルでよく知られている作品だろうと思った。原題はWhat Women Want。カタカナにするのなら、『ホワット・ウィメン・ウォント』でしょう。
しかし、それよりもむしろフローレンス・ピューで伝えられているミニシリーズの『ホワイエ』というのは何だ?
そもそも「『ブラック・ウィドウ』のイェレナ・ベローヴァ」というのは誰のことだ。
Yelena Belovaは日本では「ヤレナ・ベラーヴァ」、「イリーナ・ベロワ」、「エレーナ・ベロワ」(映画版)など、表記に揺れがあるが、「イェレナ・ベローヴァ」はない。しかし、もともと揺れのある表記なので、これ以上は問題にしないが、ただ、12月の暮れに、映画『ドント・ウォリー・ダーリン』(フローレンス・ピュー主演)を観たばかりの私にとって、主役でもない映画を紹介するだけのこの記事は、その薄っぺらさに唖然とする。
フローレンス・ピューのシネマとグラフィー:
『フォーリング 少女たちのめざめ』The Falling(2014)
『レディ・マクベス 17歳の欲望』Lady Macbeth (2016)
『トレイン・ミッション』The Commuter(2018)
『アンソニー・ホプキンスのリア王』King Lear(2018)
『アウトロー・キング スコットランドの英雄』Outlaw King(2018)
『呪われた死霊館』Malevolent(2018)
『ファイティング・ファミリー』Fighting with My Family(2019)
『ミッドサマー』Midsommar(2019)
『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』Little Women(2019)
『ブラック・ウィドウ』Black Widow(2021)
『ドント・ウォーリー・ダーリング』Don't Worry Darling(2022)
『聖なる証』The Wonder(2022)
テレビ:ミニシリーズ
『リトル・ドラマー・ガール 愛を演じるスパイThe Little Drummer Girl』(2018)
『ホークアイ』Hawkeye(2021)
テレビのミニシリーズを除くと、『呪われた死霊館』はつい最近まで〈死霊館シリーズ〉と勘違いしていたため、まだ見てない。『トレイン・ミッション』は(おそらく映画館で)観たのだが、その当時、フローレンス・ピューのことを知らなかったので、どこで出ていたのか記憶にない。あとは観ているのだが、シェイクスピアの『リア王』のコーディリアから、殺し屋や殺人鬼、さらには女子プロレスラーまで演ずることのできる女優は、めったにいない。その意味で才能のある若手俳優である。本年度公開の『ドント・ウォーリー・ダーリン』は彼女の最高の演技と称賛されたかと思うと、次の『聖なる証』でも、これまでで最高の演技と称賛されるという具合に評価は右肩上がり。グレタ・ガーウィク監督の『ストーリー・オブ・マイ・ライフ』では若草物語の四人姉妹のうち末娘のエミリー役なのだが助演女優賞にノミネートされた。
そのため主役でもない『ブラック・ウィドウ』だけを紹介し、あとはテレビのミニシリーズひとつを紹介するという記事は、頭がおかしいか、書いた人間がまったく映画や映画スターについてまったく無知なのか、あるいは完璧に無能なのかわからないがひどすぎる。
フローレンス・ピューが出演している『ホワイエ』というミニシリーズは、今現在、私は見つけられなかった。まさかとは思う、ほんとうにまさかとは思うのだが、彼女が出演しているミニシリーズ『ホークアイ』を、『ホワイエ』と間違えたのかもしれない。まさか、そんなミスはしないと思うのだが……。
フローレンス・ピュー主演の英国のミニシリーズには、『リトル・ドラマー・ガール 愛を演じるスパイ』(2018)がある。もしテレビのミニシリーズに言及するのなら、あるかどうかわからない、そして主役でもない『ホワイエ』ではなく、この『リトル・ドラマー・ガール』だろう。
この記事を書いた人間、ほんとうに無能すぎる。即刻、交替させたほうがいい。