2022年03月19日

ウォリック

1週間前になるが、CSのディスカバリー・チャンネルで『トップ・ギア』(再放送)をぼんやりみていたときのこと。ジェレミー・クラークソン、リチャード・ハモンド、ジェームズ・メイの三人組がまだ司会をしていたシーズン20の回だったと思うが、ゲストにWarwick Davisが出ていた。字幕では「ワーウィック」・デーヴィス(表記がデービスだったかどうか覚えていない)。しかし番組中では明らかに「ウォリック」と呼んでいるのに、なぜ字幕が「ワーウィック」なのか。

Warwickは「ウォリック」と発音することを無視して、「ワーウィック」と表記した昭和の時代から始まった悪習なのだろう。私が10代の頃は、「ディオンヌ・ワーウィック」という女性歌手をテレビでもよくみていた。

Wikipediaによれば:

ディオンヌ・ワーウィック(Dionne Warwick、本名 Marie Dionne Warrick マリー・ディオンヌ・ワーリック、1940年12月12日 - )


この情報が真実なら、彼女の本名Warrickは「ウォリック」と発音するにちがいない。バカペディアはこれを「ワーリック」としているが、Warは「ウォー」でしょう。「ワー」と表記するのはただのバカである。彼女は芸名にするとき、Warrickではなく、より一般的なWarwickにしたのだろう。つまりここからもWarwickは「ウォリック」と発音することがわかる。

バカペディアによれば、

ワーウィック・デイヴィス(Warwick Davis、本名:Warwick Ashley Davis 、1970年2月3日 - )は、イギリスのテレビ・映画俳優で芸能事務所社長。Warwickは本来「ウォリック」と読む。


とある。だいたいバカペディアは、人物名の発音を原語読みに偉そうに訂正することが多いくせに、ここでは「Warwickは本来「ウォリック」と読む」と、なんてバカ慎ましいコメントをしてるのはなぜか。

まあWarwickを「ウォーウィック」(「ワーウィック」という読み方は問題外)ではなく「ウォリック」と読ませるのは特殊例であろうが、有名な例なので、一般的な発音慣習のなかで淘汰されずに残ったといえるだろう。たとえば東京の「渋谷」という地名は、「しぶや」と発音する。「渋谷」(地名、姓名)は「しぶや」「しぶたに」という二種の発音があるらしいのだが、東京の「渋谷」は知名度が高いので日本全国で「しぶや」と発音される。

同様にWarwickも知名度が高いので「ウォーウィック」と読む英米人はいない。地名でもあって、私自身、英国で暮らしていた頃、「ウォリックシャー」に住んでいた(「ウォリック」は、その州都)、住所の一部にも当然「Warwickshire」は入っていた。これを「ウォーウィックシャー」と読んだり発音したりすることはなかった。

【Warwickの発音を知らないバカな字幕制作者は、磔にして火あぶりにせよとか、一刻も早く回顧せよとか、地獄に落としてしまえと書けないのは、同様な愚かな間違いは私自身何度もしてきたので、あまり強く非難できないからである。】

シェイクスピアの『ヘンリー六世』と『リチャード三世』という初期歴史劇の第一・四部作の世界を題材にしたアニメ『薔薇王の葬列』が現在年放送されているが(原作の漫画は2013年から連載開始)、そこには「ウォリック伯爵」が登場する。

そろそろ「ワーウィック」という発音というか呼び方を絶滅させる時期ではないだろうか。
posted by ohashi at 16:56| コメント | 更新情報をチェックする