2019年12月01日

『分かれ道』1

自分で翻訳(共訳)した本を推薦するのは気が引けるのだが、また大学の専任であった頃は、自分の本や翻訳を宣伝するのはなんとなく気が引けて避けてきたのだが、今回、苦労して翻訳したこともあり、10月に出版した翻訳の宣伝をしたい。

ジュディス・バトラー『分かれ道――ユダヤ性とシオニズム批判』大橋洋一・岸まどか訳(青土社2019)
Judith Butler, Parting Way: Jewishness and the Critique of Zionism (New York: Columbia University Press, 2012)

である。翻訳出版してみると、これまで翻訳されたジュディス・バトラーのどの本よりも厚い。これには翻訳している私自身が驚いたが、たしかにバトラーのこれまでの翻訳は、こんなに分厚くない。むしろ分量は少ないが鋭利な議論をしている本というのがバトラーの翻訳のイメージだったかもしれないが、それを今回の翻訳は覆した。

とはいえ分厚い本は高価というイメージがあるかもしれないが、これはどれほど強調しても強調し足りないのだが、翻訳書でほぼ500頁ある本が、なんと38000円(税別)である。こうしたある意味堅い専門的本(専門書ではなく一般読者むけだが)は1ページ1円というのが平均的な値段で、これ以上だと高い、これ以下だと安いという判定になる。

500頁の本なので定価5000円(税別)でもいいのだが、それが38000円(税別)というのは、かなり安いと思う。これだけでもお買い得である。

ちなみに原書は250頁。手に取った感じ、そんなに厚い本ではない。バトラーのこれまでの本のなかでも特に分量が多いとは思われなかったのだが、本文の活字というか文字のフォントが小さい。原注にいたっては拡大鏡がなければ読めないほど文字が小さい。したがって、原書だけを見て翻訳するのは印字の小ささからすると至難のわざだった。今回、初めてのことだが、私は全ページ拡大コピーをとって、それを見ながら翻訳した。ほんとうに字が小さかったので、それを翻訳して、通常の印字のサイズで印刷すると500ページになったということである。つづく、

posted by ohashi at 07:16| 推薦図書 | 更新情報をチェックする