いまNHK総合テレビの番組「たすけてきわめびと」で、美術館の楽しみ方を紹介していたばかりだ。美術館に行かない人が多い、美術館は敷居が高いと思っている人が多い、美術そのものにあまり関心がない、だから美術館を敬遠してしまうという。だったら美術館の楽しみかたを教えましょうという、そのために*****な美術評論家から知恵を借りるということらしいが……ぼーと生きてんじゃないぞと、そうつっこみを入れたくなった。
最近、美術館から足が遠のいているのは、土日などとくにそうだが、平日でも、展覧会は、どこも人がいっぱいで、美術品を見に来たのか、人の山を見に来たのか、わからないからである。ほんとうに人が多い。この現実を知っているのか。*****な美術評論家に騙されて、美術館の楽しみ方なんか伝授されている場合じゃないぞ。
もし美術に興味がなければ、どうか美術館に来ないでほしい。敷居が高いと思ったなら、どうか、そんな高い敷居をまたがないでほしい。野球が好きなら、そっちへ行ってほしい。とにかく関心のない人は来ないでほしい。すこしでも展覧会会場から、人がすくなくなれば、じっくり展示品を鑑賞できるからだ。とにかくいまは、展覧会は人が多い。ハロウィーンで荒れた渋谷の交差点に紛れ込んだのかと思うくらいに、人が多い。みんな美術館に来るな。もう美術館は人でいっぱいいっぱいだ。
ちなみにNHKのその番組で紹介する美術館の楽しみかたにも、むかついた。「自分なりに一人で楽しみ方をみつけましょう」というテロップが入るのだが、それはとりもなおさず、紹介された楽しみかたの多くは、みんなでわいわいがやがやと話しながらしたほうが、絶対に面白い楽しみ方だからだ。これは、展覧会とは異なり、ふだんから人がいない常設展での楽しみ方だが、そのなかのいくつかを、頭のなかだけでなく、声に出して実践したら、はっきりいって周囲に一人でも鑑賞者がいたら、万死に値する暴力行為であることだけは、いっておこう。ぼーとして番組つくってんじゃないぞ。
