日刊スポーツの記事より
今日13日初日の女優鈴木砂羽(44)が主演・初演出する舞台「結婚の条件」(東京・新宿シアター・モリエール)で出演予定だった2人の女優が12日、降板を発表した。理由として土下座など「鈴木氏から人道にもとる数々の行為を受けた」と主張。一方、制作側はそれらの行為はなかったと否定し、鈴木は当惑しているとしている。開幕前日の舞台降板発表は異例で、関係者は混乱した。降板したのは元準ミス・インターナショナル日本代表の鳳恵弥(36)と築地のおかみも務める牧野美千子(52)。
なぜ、これが全国的なニュースになるのかよくわからない。新宿のシアター・モリエールへ行ったことがありますか。私は地下鉄の新宿三丁目の駅から行くのだけれど、恥ずかしながら、いつも場所がわからなくなって迷う。入口からすぐに二階というか上階にいく階段があって、上が受付になる。入口から入ると右手が舞台になる。
ただ、小劇場ですよ。もちろんシアター・モリエールよりも小さな小劇場もあるし、またスタジオのような劇場に比べたら大きな劇場ではある、でも小劇場ですよ。私が道に迷うのも、縦型の掲示板が一つあるだけで、遠くからはわからないし、気づかないと前をとおりすぎてしまう。その小劇場で、13日から18日までの1週間もない公演ですよ。そういう小劇団の小劇場での小規模での公演におけるトラブルが、全国版のニュースになるとは。
日本全国で、あるいは東京ではとくに、小劇団による小劇場における小規模の公演というのは、毎日のように行われている。そこでのトラブルは日常茶飯事かもしれないが、それが地方であれ全国であれ、刑事事件でもならない限り、事件として扱われることはない。
ニュースを伝える側も、伝え方がおかしい。「脚本家・江頭美智留氏(56)」と伝えるのだが、この人は劇団の主催者でしょう。そう明確に伝えないと、ふつうこういうとき脚本家がとやかくいうことはないのだから。
繰り返すが、公演に関するトラブルが全国ニュースになるというのは、鈴木砂羽を第二の豊田真由子と思ったのだろうか。国会議員の暴言と、小劇団の小劇場における小規模公演の演出家の暴言・暴挙とは比べ物にならない。たとえ鈴木砂羽が豊田真由子よりも有名だとしても。もしかしたら売名行為ではないだろうか。もし売名行為ではないとしたら、こうした小劇場公演は、固定ファンがいて、たいてい満席であり、そんなスキャンダルによる宣伝をしなくてもいいのだから。
とはいえ、今回のニュースで、私には、かなりのサプライズになったことがあった。
牧野美千子、いま、演劇活動していることを初めて知った。無知を恥じるしかないが、「科学戦隊ダイナマン」に出演した牧野美千子は、紅二点というべきもうひとりの萩原佐代子とともに、伝説の戦隊ヒロイン、あるいはマドンナであった。「牧野美千子」の名前だけで、彼女の姿を見るためだけに毎回「科学戦隊ダイナマン」をみていた昔がよみがえった。とはいえ戦隊物のファンからは今も人気があって、そうした活動も続けていることを今回初めて知った。シアター・モリエールに見に行けばよかった……。降板したので、観ることはないが。