正確には8月1日の深夜のテレビだが、気持ちとしては7月31日の深夜のテレビなのだが、テレビ東京の『裏ネタワイド DEEPナイト』をぼんやり見ている私がいた。今夜のトピックは「麻美ゆま/DNA鑑定/歌舞伎町」の三つ。
癌で卵巣摘出後、抗がん剤治療を続けて、今はタレントとして復帰した麻美ゆま本人が最初に登場したので、思わず、見入ってしまった。企画単体女優としての彼女のDVDは見たこともないし持ってもいないのだが、何かの総集編のAVのDVDでは見たことがある。まあテレビ東京の深夜の『マスカット』シリーズに出演していたので、一般にもよく知られているAV女優であったのだが。癌から回復して、ほんとうによかった。AVに復帰しないのは、手術跡がある裸体はAVには向かなということなのか。ただ一般にAV女優の女優としての寿命は短いし、知名度を生かしてタレント活動ができれば、それが一番いいのだろう。また出演作が180本ということだが、どういう数え方はわからないのだが、彼女くらいの人気で180本というのは、そんなに多くない。最近よくテレビに出ている川上ゆうは、もちろんキャリアが長いということもあるが、500本くらい出ているのだから。とはいえAV業界のことは全く無知なので、あまり知ったかぶりをしていい加減なことを語ってもよくないので、やめるけれど。(追記 最近川上ゆうの出演AV本数を調べたら800作品を超えていた。8月14日)
麻美ゆみの出演が終わったので、本来なら、そこでテレビを見るのをやめてよかったし、DNA鑑定というのは、犯罪捜査で使われるくらいの知識しかなかったし、まあ、そういう話だろうと思ったので、興味もわかなかったのだが、夫婦間のいざこざで、誰が子供の親なのかを認定するときにDNA鑑定が最近使われるということが多く、調べるとわが子が、奥さんの浮気によってできた子供だと知って唖然とする父親が多いという話になった。夫は、自分の子供が誰の子供かわからない。妻だけが知っている。妻の浮気というのは文学のテーマとしてはありふれている。子供が誰の子供かわらない。妻だけが知っているというのは、不倫とか浮気といった陳腐なテーマに隠れて、あまり目立たない。夫が自分の子供が誰の子供かわからなくて悩む。妻だけたほんとうの父親を知っている。
これは、例えば最近ハロルド・ピンターを読んでいるので、ピンター作の『背信Betrayal』のテーマかと思ったが(そこでは子供の真の父親が暗示されているところがある)、それよりもなによりも、これはストリンドベリの『父』のテーマそのものではないかと思い当たった。つづく